ケアンズ旅行記 第41話「世界遺産で三途の川を見た」

gbr02グレートバリアリーフのサンゴ

 

ケアンズ旅行3日目。

僕らはダイビング&シュノーケリングをしに、世界遺産たるグレートバリアリーフにやってきた。TUSA DIVEのクルーザーで沖合いまで出てきた。

今回は、僕が世界遺産で溺れて死にそうになったという情けないお話。
いや、笑い事じゃないって(憤怒)

 

僕は海中が極めて苦手

僕は普通に泳げるし、潜水も頑張れば5mくらいまでなら大丈夫だ。また、水が怖いとかそういったことは一切ない。

しかし、水中で足のつかない場所は大の苦手である。そんな場所にいるだけで寒気がする。浮き輪などを装着しても、嫌だ。さらに言えば、周り一面海しかない風景も苦手である。Google Mapsとかカーナビの地図などで、海しか表示されない場所を見るのも嫌いである。

過去に溺れたことはない(と思う)。特に水そのものが苦手ということもない。

ダイビング好きな嫁は、僕のそんな事情を一応知っている。なので、「浅瀬で遊ぶから大丈夫」的なことを言っていたような気がする。

ともあれ、そんな僕が突然大海原に放り出されたのが今回のお話さ。

 

最初のポイントに到着。しかし・・・

クルーザーに乗って移動すること1時間程度。

道中、説明や注意事項を言われたり、日向ぼっこしたり、おやつを食べたりして過ごした。そんなこんなしているうちに、どうやら最初のポイントに到着したようだ。

クルーザーはゆっくり停止した。見れば一面、青い海に囲まれている。
僕にはもちろん、リーフのどの辺に来たのかサッパリわかるわけもなかった。
クルーザー後方には、海へ入るためのステップが降ろされた。ここから入るらしい。なお、クルーザー後方にはダイビングなどの機材一式が格納されていた。

そして皆、装備をし始めた。用意が出来た順に海に出て行くらしい。
僕は子どもらについて、サイズを伝えたり救命胴衣を借りたりしていた。
そんなことをしているうちに、ダイビングの人たちは次々海に飛び込んでいった。
そのうち僕も子どもらも用意が整い、海へ入ることになった。

ところが、何でか日本人スタッフ2名はダイビングに行ってしまったらしい。おいシゲ、話が違うじゃないか。もう、この辺から何だか嫌な予感がしていた

そんな僕らシュノーケリング組には外国人女性スタッフのヘレン(仮名)がついてくれた。子どもらは彼女に連れられて、先に海へと入っていった。どうやら浮き輪付きで面倒を見てくれている。
僕は他の外国人シュノーケル客に混じって、順番に海へ入ることになった。

 

ここで、僕は気付いた。
おい。ここ、浅瀬じゃないぞ。眼下には鮮やかなブルーしか見えない。
ってことは・・・足がつかない場所!!!

先述したが、僕は水中において、足のつかない場所が大の苦手である。

こんな場所に放り出されたら・・・と思うと血の気が引いた。

僕は海面を見てそれを悟り、どうしようか非常に困った。
しかし、僕の前にいる客たちはフィンを装着し、普通に次々海に飛び込んでいく。
僕は逡巡したが、ここまで来たら「やっぱ、やめときますw」というのはちょっと・・・さすがに、ねえ。

しょうがない、やってできないことはない!と腹を括り、続いて海に入ってみた。
他の人間と同じようにやっていれば何とかなるかな?と思って何も考えずに海へダイブ。

ああ、足がつかない・・・透明度抜群の海域で、下は見渡す限り鮮やかなコバルトブルー。どう見ても、底らしきものは見えない。今この状況で、海坊主が高速でやってきて足を引っ張られたらもう、おしまい・・・

それだけでもう、たまらない恐怖であった。
しかも、何故か思うように浮かぶことができない。
さらに、どうやらシュノーケルの装着が不十分だったようで、海水がゴーグル内に入ってくる。フィンをつけた足をバタバタさせても、何故か浮かべない・・・
僕は自分が順調にパニックになりつつあるのを冷静に感じた。

 

そこで一瞬、思い出した。
先ほど、皆が海に入る前に装備を整えていたところ。
嫁がナオキやシゲなどと談笑していた。
彼らに「旦那さんは何でダイビングやらないの?」的なことを言われていた。
嫁も僕の海(での足の付かない場所)恐怖症を知っているので、その旨を話す。
僕も「実はそうなんスよ、てへぺろ」みたいなことを話す。
その時は僕以外の人間全員呆れていた。しかし僕にゃ大問題なんだがなあ・・・

 

そんな記憶を思い浮かべながらも、順調に溺れモードになっていく僕。
思い通りに浮かんでいられないから、ジタバタする。
ゴーグルだけでなくシュノーケルの先からも海水がジャブジャブ入ってくる。
しかも僕は、口だけの呼吸というものに慣れていないことに今更気がついた。
なので、うっかり鼻から息をしてしまう。もちろん、海水がゴーグルに入ってくる。説明で言われたとおりになっちゃったじゃん。

完全に僕は、溺れた要救難人間になっていた。しかもクルーザーのすぐ側だっつうのに。ああ情けない。もう、この時事前に説明されていた合図のことなど思い出すわけもなかった。景色が遠くに感じ、海が三途の川に見えたような気がした。ああ、僕はこのまま海の藻屑になるんだ・・・

そんな沈みゆく僕を見て、ヘレンが「こっち来い!」という合図をして手招きをしているが目に入った。だから、思うように動けないんだっつーの!と思いながらも彼女の方へと死に物狂いで泳いだ。
人生でこんなに必死に泳いだことはないくらい、無我夢中で泳いでいった。
もう、呼吸とか水が入るとかどうでもいい。とにかく何かにすがりたかった。
その最中にも冷静にパニクっている自分を感じた。

これはもう、やっぱり僕は前世かどこかでいっぺん、水死しているんだろうな。うすうすそう思っていたけれど、この時確信した。でなければ、これまで一度も溺れたことのない僕がこんなになる筈がない。

 

僕を尻目に子どもらは楽しそう

何とかヘレンのもとへたどり着いた僕。
彼女には、子どもらと一緒に浮き輪につかまれと指示された。
その浮き輪は、ヘレンがヒモでつないで持っているもので、子どもや初心者用の命綱代わりのものである。僕は情けないと思いながらも、重量バランスの関係で子どもらの間に入って浮き輪に捕まった。

ここからしばらくのことは、あまり覚えていない。
海がどのようになっていたのかとか、本当に覚えていない。
とにかくクルーザーが遠ざかるのがもう嫌で嫌でしょうがなかった。

ヘレンに誘導されて周辺を彷徨ったのだが、子どもらは楽しそうにチャプチャプしていた。そうだ。奴らはグアムの浅瀬でシュノーケリングをしたことがあるのだ。水深の違いがあるとはいえ、他は大した変わりはない。慣れているんだな。

しかし、娘が途中で気分が悪くなってしまったらしい。上がったあとはぐったりしていた。一方息子はそんなのお構いなしに、珍しい海の生き物を見てテンション上がりまくり。それはよかった。

この辺は、本当に時間が長く感じた。多分1時間も入っていなかったとは思うが。

 

というわけで、僕はグレートバリアリーフにおいて溺れるという偉業(?)を成し遂げた

ていうか、全然浅くねーじゃん!!アレは何かの間違いだったのか?僕は嫁に騙されたのか?後で抗議してやる!と強く思った。

遊泳が終わってクルーザーに戻ったときは、心底ホッとした。
あとで嫁に馬鹿にされたのは、言うまでもない。

ちなみにこの時、嫁などダイビングの人たちはまだ潜っていた。
なので、やっぱりヒマになってきてしまった。
娘は船酔いでもしたのか気分が悪く、とりあえずキャビンで横にならせることにした。嘔吐の気配はなかったので、とりあえず寝かせることにしたのだ。
息子は自由に何かをしていた。まあ、あいつは平気だろう。

デッキでは、フルーツがふるまわれていた。
ここではタバコが吸えないので口寂しい僕は、メロンなどをいくつか口にした。
そして、午後ももう1回海に入る機会があるのだが、もう御免だと思った。
何だかんだ理由をつけて入るまいと、ウェットスーツも脱いでしまった。

暑い陽射しで身体も乾きつつなって来た頃、嫁たちが上がってきた。
もちろん、溺れかけた話をしたら大いに呆れられたのは言うまでもない。

ちなみに嫁はこのあと、今度はシュノーケリングをしに海に入ったらしい。
僕はデッキにもたれてぼけーっとしていた。

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